寒くなってきましたね。
『入浴剤は身体に良さそう!』というイメージはありますが、どんな入浴剤がどのようなメカニズムで効いているか理解されている方は少ないのではないでしょうか。
今回は入浴剤の効果、そのメカニズム、効率的な入浴法について最新論文や書籍をまとめました。
寒い冬にピッタリの入浴剤をお勧めします。
寒くなってきたので、保温効果が持続するものがいいですね!
入浴剤の基本的な効果
入浴剤の種類による特徴
入浴剤の種類によって効果が出るところが変わってくるので、自分が求めている効果が出る入浴剤を選びましょう。
炭酸ガス系ー血行促進効果
炭酸ガスには血管拡張作用があります。
お湯に溶けた炭酸ガスは皮膚から吸収され、容易に皮下内に入り、直接血管の筋肉へ働きかけ血管を拡げます。
血管が拡がると末梢血管の抵抗が弱まるので血圧が下がり、血流量が増えます。
その結果、全身の新陳代謝が促進され、疲れや痛み等が緩和します。
無機塩類系ー保温効果
塩類が皮膚の表面の蛋白質と結合して膜を形成します。
この膜が身体の熱の放散を防ぐため、入浴後の保温効果が高くなり、湯冷めしにくいと考えられています。
スキンケア系ー皮膚の保湿
入浴剤に含まれた保湿成分が皮膚に吸着、浸透することでスキンケアができます。
その結果、入浴後にしっとりすべすべ肌になります。
<メリット1>局所に塗る外用剤と違って、1回の入浴だけで簡単に全身の肌に成分をいきわたらせ、浸透するので、簡単に全身のケアができます。
<メリット2>入浴しているときの肌は浸透しやすい状態になっているため、保湿成分が角層まで浸透しやすくなります。
アトピー性皮膚炎を対象とした入浴剤の使用試験で、皮膚の乾燥や、かゆみをやわらげたという報告もあります。
清涼系ー爽快感
メントールを含有し、冷感を付与したものです。
入浴後の肌にさっぱり感を与えます。
入浴剤の香りの効能
入浴剤についている香りの効能は以下の通りです。
①リラックス ☞ストレス社会の癒し
②疲れを和らげ、リフレッシュ
③よい睡眠につながる
温度別!入浴の温熱作用
水温が36°C前後の不感温度☞生体の諸機能に与える影響は最小
38°C以上☞心拍数や心拍出量などが増加
高温浴(41°C以上)や冷水浴(25°C 以下)☞交感神経の緊張を促す
微温浴や温浴(37 ~40°C)☞副交感神経系が優位となり鎮静的にはたらく
自宅で入浴効果を感じるコツ
・自宅の浴槽の大きさを知っておく☞大きさに合わせて入浴剤の量を調整
・冬は40℃前後、夏は38℃前後のお湯にゆっくり浸る
・寝る90分前にお風呂に入る(参考文献:スタンフォード式最高の睡眠)
さむ~い冬にオススメな入浴剤!
BARTH
アットコスメ1位、楽天ランキング1位を受賞した入浴剤です。
重炭酸×ビタミンC×重曹です。
炭酸ガス系なので血行促進作用があります。
ビタミンCは肌荒れの原因となる塩素を中和して、刺激の少ない柔らかなお湯にする作用があります。
重曹入りで、お肌の古い角質も浮き上がらせてくれて毛穴までキレイになります。
使い方は1回の入浴で3粒入れて、15分以上の入浴がオススメされています。
無香料で、お風呂の中はきめ細かな炭酸ガスでいっぱいになります。
炭酸温泉に入った時のような、身体にガスが付着するような感じです。
炭酸ガスによる血行促進効果で、身体が温まるのも早いです。
炭酸ガスは極小、きめ細かくて最高です!温まりも早いし、深部まで温まっているのを感じます。
他の入浴剤と比べ物にならないくらい上がった後に、肌がもちっと柔らかくなっているのに感動しました!
ただ、無香料なので香り重視の方には物足りないかも。
SABON バスソルト
バスソルト=無機塩類+アロマです。
無機塩類による保温効果の持続、アロマによるリラックス効果が得られます。
保温効果の持続は寒い冬にぴったりですね。
SABONのバスソルトは死海由来のミネラル豊富な塩100%に豊かな香りを加えた入浴剤です。
死海の塩のミネラルを溶かし入れたお湯にゆったりと浸かり、さっぱりとリフレッシュしながら肌をひきしめます。
私はSABONのラベンダーの香りで保温持続、リラックス効果を感じています!
ローズの香りはお湯に溶けないので排水溝の詰まり予防ですくってからお湯を捨てないといけないので、不便です。
バブ メディキュア 柑橘の香り
普通のバブより高炭酸濃度バージョンです。
炭酸ガス系の血行促進作用で、短時間で身体がポカポカしてきます。
湯上がり後も柑橘の香りが身体に程よく残りやすく、癒されます。
まとめ
入浴剤は多くの種類があり、自分が望む効能の入浴剤を適切に選ぶのは難しいです。
ただ、この記事の知識があると、入浴剤売り場でのチョイスに役立つと思います。
入浴剤の香りに癒されながら、ぽかぽか温まりましょう!
<参考文献>
渡邊 智,入浴剤の現状と展望(2020), (Jpn./. Biometeor. 56(4):121-131, 2020)
日本浴用剤工業会 https://www.jbia.org/knowledge3.html
西野精治, スタンフォード式最高の睡眠